池袋を目の前にした都内有数規模のお寺「護国寺」

護国寺

出典:http://www.gokokuji.or.jp/

護国寺の歴史は古く、1681年(天正2年)に徳川五代将軍徳川綱吉公の生母、桂昌院の祈願寺として創建されたお寺です。

宗派は真言宗豊山派の大本山で、上野国(現在の群馬県)にある大聖護国寺の亮賢僧正を招いて開山しました。

号を「神齢山悉地院護国寺」と称し、寺領三百石を賜ったことに始まります。

本尊は「天然琥珀如意観世音菩薩」で現在は秘仏とされています。

明治、大正にあった地震や火災で多くのお堂を失うことになりましたが、本堂は元禄の頃より姿を変えずそのままの姿で江戸のころの面影を伝えています。

江戸三十三観音めぐりと花の寺院

護国寺は江戸三十三観音の13番目の寺院です。

本尊の「天然琥珀如意観世音菩薩」は絶対秘仏であるため拝観することはできませんが、前立の六臂如意輪観音像を拝観することができます。

また、護国寺は東国花の寺 東京12ヶ寺3番の目の寺院でもあります。
東国花の寺とは、関東一都六県の花の寺と称される寺院が集まり、寺院に咲く花々を縁として一般の方と寺院の垣根を取り払い心豊かな安心信心の場となるよう平成13年3月に発会しました。

護国寺では本堂左側にあるソメイヨシノやシダレザクラが3月下旬から4月の上旬までが見ごろとなっています。

3月には桜だけでなくコブシの花も満開を迎える為、とても見ごたえがあります。その後ツツジが5月下旬まで見ごろとなっており、赤いツツジの花が桜の頃を終えた護国寺を彩ります。

池袋という都会の中で、そういった癒しの場と信心の場が一緒になっている寺院が護国寺です。

御府内八十八カ所の87番の霊場

江戸三十三観音のほかにも、護国寺は御府内八十八カ所の霊場87番目でもあります。

八十八カ所といえば弘法大師ゆかりの八十八カ所の寺院を祈願ために参拝するもので、施行八十八カ所が有名ですが、それを模して宝暦5年(1755年)ごろに多聞院にお墓のある正等和尚が開創したと伝えられています。
護国寺は江戸三十三観音巡りだけでなく、御府内八十八カ所巡りを行う際にも忘れてはいけない札所となっております。

八十八カ所巡りは札番号順に訪れる必要はありませんので池袋に足を運ばれる際には、一度御朱印集めと共に訪れてみてはいかがでしょうか?

護国寺へ拝観しに行くには?

護国寺は池袋駅より東京メトロ有楽町線護国寺駅を降りて徒歩3分程の所にあります。

また、首都高速5号池袋線護国寺出口を出てすぐの場所にあり、駐車場も10台までではありますが止めることができます。
さらにJR池袋駅より出ている都営バスに乗って護国寺前で下車すると歩いて5分ほどで護国寺につくことができます。

車でのアクセスや電車でのアクセスはとても利便性の良いものとなっています。

貴重な文化財や歴史的な建造物

護国寺は貴重な文化財や歴史的な建築物がたくさんあります。

本堂である観音堂は建造物の重要文化財に指定されており、元禄の頃より今の姿を残しております。
修復などはしていますが明治・大正・昭和の震災・戦災に襲われながらも、元禄・江戸の面影を今に伝えています。

昭和3年に大津市にある三井寺の党頭日光院の客殿を現在の場所に移築した月光殿は、国指定の重要文化財で桃山時代の建物である書院造を現代に伝える稀少な建物です。

表門は元禄10年より後に作られたと考えられる仁王門です。

南側(正面)の左右に金剛力士像(右側が阿形・左側が吽形)が並び、背面(北側)の両脇には二天像(右側が増長天・左側が広目天)の仏法を守る仏像が並んでおります。

その他にも、元禄の頃より建立している薬師堂や再営された旧薬師堂を大正以降に大修理した太師堂。
昭和13年に仁王門と本堂の中間に建立された不老門は額面には徳川家達公の筆が使われています。

鐘楼は、江戸中期の建立で天和2年(1682年)に気視されたもので銘文には桂昌院による観音堂建立の事情が述べられ幕府の厚い加護をえていたことを示す貴重な歴史資料となっています。

また、大隈重信や安田善次郎、助剤やコンドルなどが著明人の眠るお墓もあります。

偉人のお好きな方でお墓参りされたい方は静かにではありますが、一度足を運ぶことをお勧めします。

拝観や御朱印をもらえる時間は限りがあります。

拝観するのに、御朱印をもらいに訪れる際には、時間に気を付けて護国寺へ行く必要があります。
年中無休ではありますが、拝観時間は9:00~11:50、13:00~16:00までとなっております。

特に御朱印集めをされている方は、お昼近くの時間や夕方になりますと混みますので、時間に余裕を持って御朱印の記入を頼む必要があります。

境内はとても広いので、参拝や拝観される方も時間に余裕を持って訪れて見てください。

せかせかとした参拝や拝観ではじっくりと貴重な文化財など見ることができませんし、余裕があっての散策をされる方が気持ちも落ち着いての沢山の発見があると思います。

まとめ

池袋という都会の中にいると思えないしんとした静けさと空間の中で、沢山の文化財や重要文化財がある護国寺。

観光客があまり来ないこともあり、ゆったりと参拝する事が可能となっております。

本堂の外観・内観は歴史を感じられる趣のままたたずんでおりますし、それぞれの建物についてもとても素晴らしい歴史を感じられるものとなっております。
時間を忘れて静かで優しい空間へ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

また、池袋駅から護国寺駅までは電車で4分で行くことができます。

御朱印集めや八十八カ所、三十三観音巡りなどされている方、偉人のお墓参りに行かれる際には時間に限りがありますので、ゆっくりと余裕を持って護国寺を訪れてみてください。

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