池袋駅から徒歩5分、赤鳥居の続く「威光稲荷堂」は神秘的で厳粛な空間

威光稲荷堂:本殿

出典:https://hotokami.jp/area/tokyo/Hkrts/Hkrtstk/Dspkt/146738/photos/

池袋駅と雑司ヶ谷駅との間、裏路地にひっそりと佇む「威光稲荷堂」は、都会のど真ん中とは思えないほどシンと静かで、厳かな雰囲気の漂う場所です。

赤鳥居と狐が特徴的な「お稲荷様」でパワーをチャージするのはいかがでしょう。

「威光稲荷堂」は池袋駅から徒歩5分の「お稲荷様」を祀るお堂

「威光稲荷堂」は、JR池袋駅東口から南東へ約500m、都電荒川線雑司ヶ谷駅から西へ約400mのところにある、「お稲荷様」を祀るお堂です。

どちらの駅からも徒歩5分程度で到着できる位置なので、池袋や雑司ヶ谷を散策しながら向かってみてもいいですね。

南池袋の裏路地にひっそりと佇んでいるので、少し見つけにくいと感じるかもしれません。是非日の高い明るいうちに参拝することをおすすめしますよ。

ここ「威光稲荷堂」の由来は、堂内の石碑によると「西暦800年代の頃、慈覚大師がこの地を行脚していた途中で、雑司ヶ谷の森で一筋の光を見つけた。向かってみるとそこに美しい姿の「稲荷尊神」が現れ、慈覚大師はその光明が強いことから「威光稲荷大明神」としてここ雑司ヶ谷にお堂を建てて祀った」とあります。

その由来にあるように、お堂の至る所には「お稲荷様」の象徴である狐の像が祀られているのが特徴的です。

本殿を護る「神狐像」はそれぞれ宝珠と子供を抱いていて、財宝や子供を守護するといった意味があります。

他にも大きなものから小さなもの、中には時代により風化してしまったものまで、とても多くの狐像がありますので、見つけてそれぞれ見比べてみるのも楽しいですよ。

「鬼子母神」も有する「威光山 法明寺」と神仏分離の令

さて、そんな「威光稲荷堂」ですが、なぜこのようなちょっと分かりにくい所にあるかというと、江戸~明治時代の神仏分離が大きく関わってきます。

「威光稲荷堂」は、もともと「鬼子母神」も擁する「威光山 法明寺」の一部でした。

しかし江戸時代の中期頃より始まった神道と仏教(神社と寺)を分けるべしという神仏分離、その結果、寺である「法妙寺」と、神を祀る「威光稲荷堂」が分けられることとなりました。

その際、「法明寺」裏手にある「威光稲荷堂」へ直接向かう独自の参道が敷かれたため、ひっそりと分かりにくい参道入り口となってしまったようですね。

「威光稲荷堂」を訪れて参道を歩いてみると分かりますが、元々の参道は「法明寺」の境内から続いていたような作りになっています。
参拝の際はその点も意識しながら参道を進んでみると面白いかもしれませんね。

「威光稲荷堂」参道の連続する赤鳥居、願い事を祈りながら潜ってみてください

「威光稲荷堂」は「お稲荷様」らしく、参道には数多くの赤鳥居が建てられています。

京都の「伏見稲荷」など、連続する鮮やかな赤鳥居は「お稲荷様」の象徴ともいえる風景ですね。

では何故「お稲荷様」といえば「赤鳥居」なのでしょうか。

赤、厳密には朱色というのは、古来より魔力へ対抗する色とされてきました。そのため多くの宮殿や神社仏閣にこの色が用いられています。

他にも朱色は「稲荷大神」のご利益である「豊穣」をあらわす色であるともいわれています。
また、朱色を用いるのには化学的な理由もあり、朱の原材料である水銀が木材の防腐剤となることから、木製の鳥居を長く保たせるためにも使用されてきました。

とはいえそれらの由来を知らなくても、なんだか不思議と鳥居の朱色はどこか神秘的で厳かで、パワーをもらえるような気持ちになりますね。
朱は「稲荷大神」に力を与える色でもあるそうですよ。

また、鳥居が数多く続いているのは、この参道が「人々の願いが「通る」道」であるから、といわれます。
もともと神の世界と人間の世界とを隔てる結界であり、神の世界への入り口でもある鳥居、くぐる際には願いが叶うよう祈りながら通るといいそうですよ。

「お稲荷様」といえば狐をイメージしますが、これは神社やお堂にもよりますが一般に「お稲荷様」=「狐」ではありません。

狐は「稲荷大神様」の眷属(おつかい)だといわれています。ただし、一般に野山にいる狐とは違って、おつかいの狐様は神様と同様に目には見えない存在なので、白や透明で表現されることが多いのだとか。

ちなみに「お稲荷様」には油揚げやいなり寿司がお供えされていることが多いですね。
これは油揚げが古くから狐の好物であることに由来しています。

昔、狐狩りをする際には餌として鼠の油揚げが使用されていました。現在では鼠ではなく豆腐の油揚げですが、やはり狐が好んで食べるといいます。

そんな油揚げを使ったお寿司なので「いなり寿司」や地域によっては「狐寿司」と呼んだりもするそうですよ。
「威光稲荷堂」の本堂にも、油揚げやいなり寿司が奉納されていることもあるそうなので、参拝の際には意識してみてくださいね。

昔から私たちの身近にある「お稲荷様」には、様々な意味や願いが至る所へ込められています。

池袋駅から近く、都内でも参拝しやすい「威光稲荷堂」、是非訪れてお願い事をしたりパワーを頂いてみてはいかがでしょうか。

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